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2020年5月30日土曜日

『自己PR』の書き方 [改訂版]|ES&履歴書編


こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは『自己PR』の書き方についてお話しします。

前回の『学生時代最も頑張ったこと』の書き方を読んだ前提で話を進めるので、まだ読んでいない方は、先にそちらを読むことを推奨します。

解説の流れとして、

まずは、私が創作した人物が書いた『自己PR』の『良い例』と『悪い例』を見ていきます。

次に、2つの例をマインドその1と照らし合わせて、何が悪くて何が良いのかを見ていきます。

最後に、マインドその1とは別の『自己PR』を書く上でのコツ4つを紹介します。とはいえ、うち2つは『頑張ったこと』の書き方と同じですので詳細は割愛し、解説するのは2つです。

では、さっそく始めましょう。

(※ 記事を一通り読み終わったら、今度は記事を参考として見つつ、自分でも実際に書いてみてください。受動的でなく能動的に行動に移すことが重要です)




1. 『自己PR』 悪い例


私には『情報を精査して考える力』があります。この力でアルバイト先の窮地を救いました。私は大学付近の居酒屋でバイトリーダーを務めています。1年前、お店の売上が急に下がり始めるという事態が発生し、私は経済学部なので、それが社会全体の経済状況とはあまり関係ないと判断しました。また、他店に赴いて様子を見た結果、客入りや精算レシートの量から、他店は盛況であると判断しました。そこで次に、客層が大きい大学生に注目し、学内の友人や同好会の仲間に自店の問題について尋ねた結果、他店に比べて酒類が少ないことやコース料理の値段が高いことが大きな問題点だと分かりました。私は費用が大きいメニューを一時減らし、酒類の充実やコース料理の値段低減、そして宣伝広告に費用を回す提案をし、店長に実行して頂きました。結果、お店の売上は回復し、遂には過去最高売上を突破しました。このように私には『情報を精査して考える力』があります。(398文字)


2. 『自己PR』 良い例


私には『チームで活きる状況把握力』があります。2年生から居酒屋でアルバイトを始め、周りの皆さんのおかげですぐに馴染めました。一方で、お店の売上は徐々に下がり、危機的状況に陥っていました。店長や社員の方々は明るい様子でしたが、確実に士気は下がっており、「どうにかして役に立ちたい」と思いました。そこで、私は自分がアルバイトという従業員の中で最も時間があり、顧客に近い立場にある点に注目しました。そして、学内の友人や同好会の仲間に意見を求め、他店に赴いてその強みや特徴を調べる等の調査を行い、自身の考察や提案も踏まえた調査資料を店長に提出しました。店長は快く受け取って下さり、全従業員が一丸となって対策を練りました。その結果、売上は回復し、遂には過去最高売上を超えるという結果に繋がりました。このように、私には『チームで活きる状況把握力』があり、この力を貴社ではさらに伸ばし、活用していきたいです。(396文字)

※これらの例は、OpenESの前提で書かれています。履歴書は大学によって文字数が異なるため、今回はOpenESを採用して書きました。


3. マインドその1と照らし合わせよう

3.1 悪い例の場合


悪い例について、マインドその1と照らし合わせると、『経験』と『能力』の要素は1つずつとしている点は良いですが、『性格』に関する情報が一切ないことがわかります。

また、『情報を精査して考える力』という『能力』に関する『経験』を事細かに語りすぎているせいで、淡々とした文章になってしまっています。

これは、『就職活動に必要なマインドその1』の記事のマインドリセットの冒頭で述べたように、初めて書く人や準備不足の人のESや履歴書で実際によく見られるパターンです。

今回の例では、事細かに語った『経験』の内容がわりと簡単ですが、これが大学院生の場合は研究などに置き換わるかもしれません。留学経験者なら留学先の国のことなどになるでしょう。

そうなってくると、畑違いの採用担当からしたら、

「なんかすごいけと、よくわからない」

という印象だけが残り、この場合に採用担当に伝わるあなたの魅力や凄みというのは、あなたが期待しているより遥かに少なくなってしまいます。

3.2 良い例の場合


良い例をマインドその1と照らし合わせると、『経験』『能力』『性格』の要素が1つずつバランスよく組み合わさっています。

『頑張ったこと』の良い例で見受けられた、この筆者の持つ、チーム思いで献身的な性格や周囲に慕われるキャラを、今回の『経験』に合わせて要所要所で表現することで、同じ『性格』を一貫して主張しています。

ここで、

「良い例のように書いては、『経験』や『能力』についてたくさん語れず、自分のことを十分に評価してもらえないのではないか」

と不安に思うかもしれませんが、心配する必要はありません。

細かいことは面接で聞かれたら答えれば良いのです。気になったら、向こうから聞いてくるので大丈夫です。むしろ、焦るあまり、向こうが理解できないものや、読んでも印象に残らないものを、ESや履歴書に載せては本末転倒です。

『頑張ったこと』にしろ『自己PR』にしろ、書類選考における目標は一度にたくさんのESや履歴書に目を通す採用担当に、あなたを最大限魅力的に見せつつ、面接への布石となる情報を提供することです。

そのために、マインドその1を基盤に考え、以下で紹介するコツを使って、ESや履歴書をハイクオリティに仕上げましょう。


4. 『自己PR』を書く上でのコツ4つ


ここまでは、マインドその1に照らし合わせて、良い例と悪い例を比べてきましたが、ここからは良い例に込められたコツについて述べていきます。項目は以下の4つになります。

(1) 『経験』『能力』『性格』の各要素は基本1つまで!『性格』はなるべく一貫しよう!

(2) 何かを乗り越えた経験を書いて「セリフ」でお気持ち表明!ドラマを持たせる!

(3) 『頑張ったこと』と『自己PR』の違いを理解して書こう!

(4) 最初の『キャッチコピー』は後回し!まずは内容重視!

コツ(1)と(2)に関しては『頑張ったこと』の書き方で述べたことと内容が同じであるため解説は割愛します。


(3) 『頑張ったこと』と『自己PR』の違いを理解して書こう!


コツ(2)で紹介した『何かを乗り越えた経験』を使用して『自己PR』を書いた結果、『自己PR』の文章構成が『頑張ったこと』と全く同じになってしまうことがありますが、このようなことは避けるべきです。

というのも、『頑張ったこと』と『自己PR』では、メインでアピールしたい対象が異なるからです。

『頑張ったこと』では、

「何かを頑張って乗り越えた結果、○○ということを学びました」

という語り口で『学んだこと・身に付いたこと』を最後にメインでアピールします。

これに対して、『自己PR』では、

「自分の○○という能力・性格があったから、何かを頑張って乗り越えられました」

という語り口で『元々あった能力・性格(ポテンシャル)』をメインメッセージにしています。

よって、『頑張ったこと』と『自己PR』をうっかり同じ構成で書いてはいけません。

「でも、2つの違いなんて、どうしたら判定できる?」

チェック方法は簡単です。

それは、良い例のように、文章の最後に「このように私は○○です」と、冒頭に述べたキャッチコピーを繰り返すことです。

このとき、最後の文章の繋がりに違和感を抱いた場合、『自己PR』としてではなく、『頑張ったこと』として書いてまっている可能性があります。(明らかに文脈がおかしくなるので分かります)

そのときは、書き直すか、それはそれで面接用にとっておいて、別のエピソードで『自己PR』を作ると良いでしょう。


(4) 頭の『キャッチコピー』は後回し!まずは内容重視!


『自己PR』では、冒頭に必ず『キャッチコピー』を付けますが、当時の私含め『自己PR』を初めて書く人にありがちなことが、この最初の『キャッチコピー』を決める段階で迷走してしまい、無駄に時間を食ってしまうことです。

さらに、最初に決めた『キャッチコピー』に拘って『自己PR』を仕上げようとすると、大抵うまく行きません。(実際に、今回の悪い例は『キャッチコピー』を最初に決めて書き始めたものです)

一番手っ取り早い方法は、まずはストーリー作成に完了させて、最後にそのストーリーに合う『キャッチコピー』を決めることです。

(最初に『仮のキャッチコピー』を作ってみるのもアリですが、それには拘らないように注意してください。あくまでもストーリー重視です)

良いストーリーが出来上がると、ほぼ自動的に『キャッチコピー』が見えてくるはすです。

ストーリーを作る際の注意点として、マインドその1に従うのはもちろんのこと、特に『性格』の面で『頑張ったこと』の内容と齟齬がないように気を付けて書きましょう。

『自己PR』の書き方は以上になります。

続き≫自己分析の仕方 [改訂版]
目次≫就活のすゝめ

2020年5月28日木曜日

『学生時代に最も頑張ったこと』の書き方 [改訂版]|ES&履歴書編



こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは『学生時代に頑張ったこと』の書き方についてお話しします。

就職活動に必要なマインドその1を基盤に話を進めるので、そちらの記事を事前に読んでおくことをおすすめします。就職活動で一番大事なのはマインド(意識・考え方)です。

解説の流れとして、

まずは、私が創作した人物が書いた『頑張ったこと』の悪い例と良い例を見ていきます。

次に、2つの例をマインドその1と照らし合わせて、何が悪くて良いのか見ていきます。

最後に、『頑張ったこと』を書く上でのコツ3つを良い例に沿って紹介します。なお、『頑張ったこと』は過去現在質問の1つであるため、ここで紹介するコツは他の過去現在質問にも応用できます。

では、さっそく始めましょう。

(※ 記事を一通り読み終わったら、今度は記事を参考として見つつ、自分でも実際に書いてみてください。受動的でなく能動的に行動に移すことが重要です)



1. 『頑張ったこと』悪い例


私が最も頑張ったことはテニス同好会での活動です。大学からテニスを始めたにも関わらず、大学2年生には近隣の5大学の合同大会で優勝することができました。さらに3年生になると、誰とでも上手く話すことができるという理由で周囲から推薦されて、同好会の会長の仕事を引き受けました。そこで、特に他大学との試合を組むことにおいては一際力を注ぎました。会内ではメンバーが気持よく試合に臨めるように彼らの気持ちに細心の注意を払うこと、会外では1カ月以上前から対戦先の大学と連携を取り、段取りを決めることが必要となります。そのため、試合を何度も組むうちに計画力が身に付き、メンバー全員に心を開いて話してもらうために奮闘するうちに、コミュニケーション能力と交渉力をさらに鍛え上げることができました。また、予算及びスケジュール管理などがこれまで非常に雑に行われていたため、その形式を独自に作るといったことも行いました。(398文字)


2. 『頑張ったこと』良い例


私が最も頑張ったことはサークル活動です。テニス同好会の会長を務め、周囲の期待から引き受けた役職でしたが、やるからには誰もが楽しめる同好会にしようと誓いました。しかし、最初の試合後、早くも会内に不穏な空気が漂っており、原因はダブルスのペア決めでした。私が相性などを甘く見て決めたため、試合中に不和が生じてしまったのです。以来、活動参加者は減り、一時は役目を投げ出してしまいそうでした。しかし、初心に返って考えた時「誰も楽しんでいない現状は嫌だ。期待に応えたい」と強く思い、それからは以前より各個人と親身に向き合い、関係図を作る等の工夫もして、試合を組むようにしました。結果、試合の度に「ありがとう、楽しかった」と言ってもらえるようになり、誰もが楽しめる同好会を実現できました。この経験で私は、多様な考え方への柔軟な対応や交渉術を学びました。貴社でどんな困難に遭っても、柔軟に構えて乗り越えていきます。(400文字)

※これらの例は、OpenESの前提で書かれています。履歴書は大学によって文字数が異なるため、今回はOpenESを採用して書きました。

3. マインドその1と照らし合わせよう


3.1 悪い例の場合


マインドその1と照らし合わせるために、まずは『経験』『能力』『性格』について見ていくと、悪い例では以下の2つのことが言えます。

・『性格』の要素が伺えるような記述がない

・『経験』と『能力』がそれぞれ3つずつと多い

バランスなんてあったものではなく、マインドその1に従っていないことが分かります。

そして、読者の皆さんも感じたと思いますが、今回の悪い例を含め、こういったパターンの履歴書を読んだときに抱く印象は、主に以下の3つです。

・人物像が見えてこない

・なんだか文章全体が薄くて淡々としている

・読んだそばから忘れていき、記憶に残らない

このような印象を抱くのは、以下の3つが原因です。

人間味を感じるための『性格』の要素がない

・『経験』と『能力』が多すぎて、それぞれ内容が浅くなってしまっている

・各要素の方向性がバラバラなせいで、内容が空中分解している

では、マインドその1を守った場合はどのようになるでしょうか。
次に、良い例について見ていきましょう。


3.2 良い例の場合


『経験』『能力』『性格』について見ていくと、良い例では各要素が以下のように分類できます。

『経験』:テニス同好会の会長を務め、理想の同好会を実現したという経験

『能力』:コミュニケーション能力と交渉力といった対人能力

『性格』:周囲の期待に応えて役に立とうとする姿勢(チーム思い、献身的な性格)

以上のように、『経験』『能力』『性格』がおおよそ1つずつであり、バランスよく組み合わせて語られていることが分かります。

また、良い例については、以下のような3方向の視点を持つことができます。

(1) テニス同好会会長の『経験』があったからこそ、献身的な『性格』が発揮され、対人『能力』が磨かれた。

(2) 対人『能力』を伸ばしてきたからこそ、周囲の期待に応える姿勢(『性格』)をもって同好会を良い方向へ導く『経験』ができた。

(3) チームを思う気持ち(『性格』)が強かったからこそ、対人『能力』を磨いて、「誰もが楽しめる同好会」を目指し、そして実現した『経験』を得た。

このように3方向で捉えることができるのは、良い例では3要素が紐づけられ、揃って1つストーリーとなっているからです。

3要素が互いに互いの内容を補填しあい、具体性を増しており、この人しか成し得なかったストーリーに見えるわけです。

これが『就職活動に必要なマインドその1』で解説した、まるで『唯一無二のように見える』効果です。



以上のように、マインドその1を使うことで『頑張ったこと』の内容の良し悪しを判断することができ、できるだけシンプルでいて魅力的なストーリーに近づけられます。


4. 『頑張ったこと』を書くコツ3つ


ここまでは、マインドその1に照らし合わせて悪い例と良い例を比べましたが、ここからは良い例に込められたコツ3つを紹介します。


(1) 『経験』『能力』『性格』の各要素は基本1つまで!『性格』はなるべく一貫しよう!


先述した内容でも少し触れましたが、複数の要素を同時に詰め込むと、内容が薄くなるだけでなく、煩雑になって空中分解します。

よって、1つの過去現在質問に対して、基本的に各要素は1つずつで答えます。

そして、主張する『性格』は一貫します。(『経験』や『能力』は、ベースとなる『経験』の内容によって大きく変わってくる)

実際には、人間の性格なんてものはパラメータ性なので、極端に○○な『性格』の人なんていません。誰もが色んな面を持っていて、それらをアピールしたくなる気持ちは分かります。

しかし、選考では200~400字程度の文章短い面接時間の中で、あなたの魅力を理解してもらわなければいけません。

それなのに、主張する『性格』がいくつもあると、十分に伝わらないどころか、相手が追いきれなくなってしまいます。

よって、就活では、できるだけ1つの『性格』に重点をおき、どんな話からも「この人はだいたい○○な人だな」とシンプルかつ確実に認識してもらう方がベターです。

以上から、過去現在質問に答える際、『性格』の要素は、同じまたは、ある程度近しい『性格』を一貫するようにしましょう。

(2) 何かを乗り越えた経験を書いて「セリフ」でお気持ち表明!ドラマを持たせる!


小中高大と、授業は大抵退屈で眠たい上に、何やったかなんてほとんど覚えてなかったのに、なぜかドラマやアニメは集中できたし、翌日はその内容について友達と議論したなんてことはしばしばだったのではないでしょうか。

では、なぜこんなことが起こるのでしょうか。

最も大きな理由として、ドラマやアニメには、単に物語の展開だけでなく、登場人物の感情の変化があることが挙げられます。

人間は登場人物に感情移入するからこそ、ドラマやアニメを楽しく見ることができるのです。

そして、これは就職活動でも同じです。

採用担当も人間ですから、ESも履歴書も面接での返答も、無味乾燥で授業のような話より、ドラマがある物語のような話の方が聞く気になるし、印象に残りやすいわけです。

とはいえ、物語としてただ面白いだけというのはもちろんダメで、マインドその1を満たして、しっかり自己アピールしなくてはなりません。

では、どうやったら、上手くドラマを持たせることができるか。

最も簡単な方法は、『経験』を『何かを乗り越えた経験』にしてしまうことです。

こうすることで意識せずとも、

挑戦して、失敗して、絶望して、それでも立ち上がって、再び挑戦して、最後は乗り越えて、学びを得る。

という分かりやすい起承転結を作ることができます。

また、良い例のように、逆境を乗り越える展開ではカッコ「」を使ったセリフを加えて、当時のお気持ちを表明すると、より臨場感が増します。この「セリフ」はその内容次第で、自分の『性格』をより効果的に伝える役割も備えています。

(3) 『経験を通して学んだこと』を必ずプラスα!できれば「貴社でも活かしたい」フレーズも!


『経験を通して学んだこと』を最後に必ずつけるようにしましょう。

これにより、『経験』を通して得た『能力』を示すだけでなく、自分の不足や弱点に気が付いて自ら成長できる人間であることを示すことができます。

「(学んだことを)貴社でも活かしたい」フレーズに関しては、やはりスペースを使うので、付け加えるか否かは賛否両論な気がします。

しかし個人的には、書いておいた方が全体を通して入社後のイメージを持っていることをより醸し出せるから、できればあった方が良いと思います。


以上が『学生時代に最も頑張ったこと』の基本的な書き方になります。

冒頭でも述べましたが、この『頑張ったこと』は、過去現在質問の1つであるため、ここで紹介・解説したコツは、他の過去現在質問にも応用できます。(詳細は面接対策編でお話しします)

よって次回は、同じ過去現在質問の1つであり、『三大質問』の1つでもある『自己PR』の書き方について話します。

『自己PR』も過去現在質問であることから、話の大枠は似たようなものになりますが、少々違う点もあるのでそこをメインでお話しします。


目次≫就活のすゝめ

2020年5月26日火曜日

就職活動に必要なマインドその2 [改訂版]|就活基礎

こんにちは、ブリキらっこです。

今回の記事は、『就職活動に必要なマインドその1』の続きとなっています。未読の方は、先にこちらをご覧になった方が理解が深まります。

結論から言うと、就職活動に必要なマインドその2は、こちらの図で簡単に表すことができます。

就職活動に必要なマインドその2

図でも示していますが、マインドその2のキーフレーズは、「『技術』としてではなく、『素養』として見せる」です。

いきなり『技術』やら『素養』やら、わけがわからないと思いますが、最終的にこのフレーズに繋がるよう段階的に解説します。

最後は、この図が意味することを理解し、いつでもどこでも思い出せるようになる、つまり、マインドその2をマスターできると思います。

それでは、始めていきましょう。



1. マインドその2とは


マインドその2は、自分と企業の未来の姿について答える質問『未来質問』に上手く対応するためのマインドです。(旧記事では『企業寄り質問』と呼んでいます)

(前回の『過去現在質問』は、自分の過去と現在の情報について答える質問)

この『未来質問』に該当する質問は以下のようなものです。

「あなたの志望動機を教えてください」

「十年後の自分の未来像はどのようになっていますか?」

「あなたの研究または学んできたことは弊社でどのように役立つだろうか?」

このように、全て自分と企業の未来に関わる質問です。
また、例の1つ目に挙げた質問は、ESや履歴書の三大質問のうち1つ『志望動機』になります。


2. マインドその2の解説


ここからは、マインドその2の解説に移りますが、その前に。

解説しやすくするために、例のマインドその2の図を以下のように2セクションに分けます。

就職活動に必要なマインドその2

左側の赤枠部分は、マインドその2を理解するための最低限の前知識のお話しで、
右側の青枠部分は、マインドその2の神髄である『技術』と『素養』のお話しです。

まずは、赤枠部分の最低限の前知識についてお話ししていきましょう。

(1) 最低限の前知識を身に着けよう


手始めに、前回のおさらいです。
『マインドその1』の図を見てみましょう。


就職活動に必要なマインドその1

この図に示すように、『経験』『能力』『性格』の重なる部分を目指して、3要素バランスよく過去現在質問に答えれば、自分をまるで『唯一無二の存在として見せる』ことができるということでした。

これに対して、

『未来質問』では、(過去現在質問で答えた)自身の『経験』『能力』『性格』の3要素を根拠とし、企業の特徴と絡めて答えることが重要であり、これが最低限の前知識となります。

分かりやすいように簡単な例を示すと、たとえば『志望動機』なら、以下のような答え方です。

「私は○○な性格であるため、貴社の××といった理念に惹かれました。また、私の□□の経験や■■の能力に関しては、貴社の△△といった業務に活かすことができ、さらに成長していくことができると考えております」

(実際はもっとしっかりした文章であるべきですが、ここでは簡単に示しています。ちゃんとした志望動機の例はこちらから)

このように、3要素を根拠にして、企業の特徴を絡めて答えます。
そして、これを成し得るためには、以下の2点が必須条件になります。

  • マインドその1に従って『過去現在質問』に適切に回答する
  • 十分な『業界・企業研究』を行う

まず、前者についてですが、

『頑張ったこと』や『自己PR』といった過去現在質問への回答で、『経験』『能力』『性格』をうまくアピールできていないのに、『志望動機』等の未来質問の根拠に、それらを引っ張ってきても効果は薄くなります

その理由を簡単に説明すると、例えば、

「頭にきたから、殴った」

と言うのと、

「いきなり殴られて、頭にきたから、殴った」

と言うのとでは、受け手の印象が大きく違います。「いきなり殴られて」という背景があるからこそ、「頭にきたから、殴った」という行為に多少納得させられるわけです。

これと同様に、自分の『経験』『能力』『性格』について、『頑張ったこと』や『自己PR』などの過去現在質問事前に答えておいた上で、それらを根拠として未来質問に答えた方が、納得感が増し、ベターであると言えるわけです。(当然、難しい場合はその限りではありません。事前に述べてなくても面接で聞かれることもあります)

そのため、過去現在質問では、マインドその1を守って『経験』『能力』『性格』をバランスよくアピールしておくことは必須条件と言えるわけです。

そして、後者について、

これは当然ですが、例のように「○○といった理念」「△△といった業務」のように答えるには、業界・企業研究により、応募先の企業やその企業の属する業界の情報についてよく調べ、知っていなければいけません。つまり、『業界・企業研究』をよく行っておく必要があると言えるわけです。


以上をまとめると、

精巧な過去現在質問十分な業界・企業研究の2条件を満たした上で、

『経験』『能力』『性格』の3要素を根拠とし、企業の特徴と絡めて『未来質問』に答えること。

これが『未来質問』に答える際のポイント、最前提の前知識になります。

これを図に表すと、まさに最初に示したマインドその2の赤枠部分のようなイメージになります。

就職活動に必要なマインドその2

以上が最前提の前知識のお話しです。

ここまでの内容は、就職活動始めたての人には新しい話かもしれませんが、しばらく取り組んでいる人はなんとなくわかっている話です。

しかし、本題はここからです。

しばらく就活に取り組んでいる人でも気が付きにくい、『マインドその2』の神髄(上図の青枠『技術』『素養』について話していきます。

(2) 就職活動に必要なマインドその2


就職活動に必要なマインドその2

さて、前置きが長くなりましたが、ここまでくるとマインドその2は簡単です。

キーフレーズは、「『技術』としてではなく『素養』として見せる」

これの意味するところは、例を使うととても簡単に解説できます。

というわけで、

まずは、 『技術』として見せる場合の『志望動機』の簡単な例を挙げると、以下のようになります。

「私には△△の『経験』や■■の『能力』、さらに××な『性格』があるので、それらを駆使して貴社が今抱えている○○といった問題の解決に貢献することができます

この口調は、少し独りよがりに感じられますし、まるで、

「私には、貴社を成功に導けるだけの十分な『技術』があるのです」

と言わんばかりに聞こえませんか?

このことから、私はこのような語り口で話すことを「(『経験』『能力』『性格』の3要素を)『技術』として見せる」と呼んでいます。

これに対して、

『素養』として見せるとはどういうことか。
同じく『志望動機』で簡単な例を挙げると、以下のようになります。

「私には△△の『経験』や■■の『能力』、××な『性格』があるので、それらを貴社の○○という業務で(必要とされているため)活かすことができ、入社後はさらにその力を伸ばして、貴社の今後の発展に貢献したいと考えております」

この口調には、企業に寄り添うような雰囲気があり、

「私には、貴社が求める『素養』があります」

というニュアンスが感じ取れます。ここでの『素養』が意味することは、まさに『伸びしろのある、養うべき素質』です。

そのため、このような語り口で話すことを「(3要素を)『素養』として見せる」と呼んでいます。

以上で、『技術』と『素養』の違いについて明確にしましたが、

なぜ『技術』として見せることが悪く、『素養』として見せるべきなのでしょうか。

結論から言ってしまえば、それは、企業もしくは採用担当からすれば、就活生が『技術』として見せたいことなんて、他のそれを持たない人に毛が生えた程度のことだからです。

このように言う根拠として、

例えば、入社後は、どの会社にも新入社員研修があり、さらに、入社後少なくとも3年間は様々な教育制度が設けられていると思います。

このことから考えて当たり前のことですが、企業からすれば、後の社員となる就活生には入社後、できるだけ早く、たくさんのビジネススキルや業務知識・ノウハウを学んでもらう予定であり、就活生はしばらくの間『育て養っていく対象』なのです。

つまり、企業から見た就職活動とは、

入社後も頑張って成長してくれそうな人たち選別するための作業であり、就活生は(いくら学生として素晴らしかろうと)皆総じて、一人前の社会人として働くにはまだまだ足りないのです。

このことを前提として改めて、
『技術』として見せた場合の例と
『素養』として見せた場合の例を比較すると、
前者がいかにまずいことをしているかがわかると思います。

しかし、実際にはやってしまっている人は結構います

特に、それなりに成果を挙げてきた大学院生や留学経験者など、それなりに頑張ったといえる経歴の持ち主ほど、陥りやすい心理的な見落としだったりします。

不思議なことに、下手に自信を持ってしまうと、こういった言われればすぐにわかるようなことも見えなくなってしまうんですね。

そのため、他の就活生よりアドバンテージがあるなと思ったときほど注意が必要です。特に面接では、ついつい勢いづかないように。

『未来質問』に答えるときは、
『経験』『能力』『性格』の3要素を『技術』としてではなく『素養』としてみせるべし。

これが何気に忘れがちだけど、重要な『就職活動に必要なマインドその2』です。

マインドについては以上です。

長々と話しましたが、マインドに関する記事2本を最後まで読み切った読者なら、いつでもどこでも、この図とその意味を思い出せるようになっていると思います。

就職活動に必要なマインドその1&その2

それが『就職活動に必要なマインド』です。
あなたの中にすでに本質は作られました。

あとはこれをもとにして、とにかく自分の頭で考え、自分の手足で行動するだけです。

次回は、エントリーシートや履歴書の『学生時代最も頑張ったこと』について、その基本的な書き方やコツについてお話します。

続き≫『学生時代に最も頑張ったこと』の書き方
目次≫就活のすゝめ

2020年5月24日日曜日

就職活動に必要なマインドその1 [改訂版]|就活基礎

こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、就職活動に必要なマインド(意識と考え方)を作ります。

内容が煩雑にならないように2部にわけます。
そこで、今回は『就職活動に必要なマインドその1』と題しました。

結論から話すと、就職活動に必要なマインドその1はこの図で簡単に説明できます。

マインドその1

当記事の解説を読んで、この図が意味することを正しく理解できれば、就職活動に必要なマインドその1をマスターできると思います。

では、さっそく始めていきましょう。



1. マインドその1とは


マインドその1は、自分の過去や現在の情報について答える質問『過去現在質問』に上手く対応するためのマインドです。(旧記事では『自分寄り質問』と呼んでいます)

この『過去現在質問』に該当する質問は以下のようなものです。

「あなたが学生時代もっとも頑張ったことはなんですか」

「あなたの自己PRをお願いします」

「あなたの長所は?短所は?」

「学業以外で頑張ったことは?」など

このように、全て自分の過去や現在に関わる質問です。
また、最初の2つの質問に関しては、ESや履歴書の三大質問のうち2つ『学生時代に最も頑張ったこと』と『自己PR』になります。

(今回の『マインドその1』と『過去現在質問』と対になるのが、『マインドその2』と『未来質問』ですが、これらについては続きの記事で解説します)


2. マインドその1の解説


では、マインドその1の存在理由が分かったところで、これがいったいどういうものか、解説します。

それにあたって、まずは、当時の私を含め、就活生の皆さんにありがちな固定概念を壊す、いわゆるマインドリセットをしてもらうところから始めます。

鍵は、就活生全体を俯瞰してみることです。

(1) マインドリセットをしよう


マインドリセットとして、就活生が自覚すべきこと。

結論から言えば、それは、

自分と同じような経験をしたことがある人なんて腐るほどいる

ということです。

「いや、別に普通じゃね?」

と思うかもしれませんが、果たしてどうでしょうか。

私自身が就活を通して感じた印象ですが、わりと多くの就活生が、まずは自分の経験を詳細に語りたがる節があります。

それを考えると、皆さんも案外、身に染みていないかもしれません。

実際に、就職活動始めたての人や、準備不足の人人よりレアな経験をしている人ほど、ここで躓く人が多いです。

そこで、このことが分かりやすいように、例を示したいと思います。

たとえば、特に多くの学生が(同じ経験をした人は腐るほどいるのに)『自分だけ』と勘違いしやすい経験は以下のようなものがあります。

「世界で誰もやってないような研究やった。または、企業の事業に関連する研究やった」

「TOEICすごく高い点数とった。すごい資格とった。学会で賞とった」

「海外留学した。海外の国を縦断した、横断した」

「ボランティア活動をした。ベンチャー企業に参加した、または立ち上げた」

少なくとも、ここで例に挙げられるような経験は全部、同じことしている人が腐るほどいます。思ったよりありふれています。

「いやいや、やっていることの詳細は違うから、そこをアピールすればええやん」

と思うかもしれませんが、その思考こそが落とし穴です。
確かに、これらの経験の詳細は多少違うでしょう。

だとしても、カテゴリーが同じならだいたいみんな似たようなものくらいにとらえておいた方が良いです。

例えば、研究なら何の研究とか関係なしにおおよそ一括り、
留学もどこの国のどこの大学とか関係なしに一括りです。

「なんでや……」

それは、あなたが自分自身の『経験』と他人の『類似する経験』との違いについて、どれだけ事細かに語ったとしても、畑違いの人間からしたら、煩雑でよく分からないという印象しか残らないからです。

そして、よく分からない詳細はともかく、同じような『経験』した人たちなら、皆だいたい同じに捉えられてしまうってことです。

例えば、あなただって、目の前に全く詳しくない他学部・他学科の専門科目の名前を並べられたとして、「いや、こんなんだいたい全部同じやん」って投げ出したくなりませんか?
さらに、その講義を受けろと言われたって、億劫になるでしょう。だって、聞いたところで半分も分からないんだから。

これは、長々と『経験』の詳細を聞かされる採用担当だって同じです。

つまり、あなたがESや履歴書、面接で、自分自身の『経験』について事細かに語ったところで、その話の深さ浅さに関わらず

採用担当からすれば、類似する『経験』を語った人たちとまとめて、次の図のように見えていると考えられます。

あなたとあなたと同じような経験をした人たち

多少の差はあれ、同じような『経験』をしている人間が、同じ『経験』の枠の中にたくさんいるという状態に見えるわけです。

(業界や企業にもよるが、特に工学系なんかは、大学で専攻した分野に進む学生の割合が多く、みんな揃って研究や実習のこととか話したがるため、実際にこのような構図になりやすい)

この同じ『経験』の枠の中で、あなたが周りと違うことをアピールしようとしても難しいのです。

ここでさらに、『経験』と同様に、就活で自分をアピールするための主要素として、他には『能力』『性格』が挙げられます。

『能力』『性格』、これら2つの要素についても、それぞれ単品では『経験』の時と同じことが言えます。

多少の差はあれ、自分と同じような『能力』、そして同じような『性格』の人たちを枠でくくると、それぞれ下図のようになるのです。


あなたとあなたと同じような能力と性格の持ち主

特に『性格』なんかで考えるとより分かりやすいです。

たとえ、あなたが採用担当だったとしても、

「私は協調性のある人間です!(ドンッ)」

と自己紹介されたら、

「いやいや、そういう人って結構いるでしょ……(呆)」

となるでしょう。

よって、以上の話と上で示した3つの図から、

あなたと同じような『経験』をした人は腐るほどいるし、

あなたと同じような『能力』の持ち主も腐るほどいるし、

あなたと同じような『性格』の持ち主も腐るほどいる

ということがよくわかったと思います。

これを深く自覚することで、マインドリセットは完了です。


(2) 就職活動に必要なマインドその1


さて、マインドリセットが完了しましたが、困りました。

『経験』『能力』『性格』、どれをとっても自分と似たような人間が腐るほどいるため、どれか1つで勝負しようとしたって有象無象に埋もれてしまう。負けて当然なわけです。

厳しいですね。

もはやどこも受かる気がしない。

しかし、まだ希望はあるのです。

もしここで、あなたが『経験』『能力』『性格』をうまく組み合わせて自分をアピールできたなら、図はこのようになるのです。

『経験』『能力』『性格』をまとめてアピール

この図からは、たとえ、あなたと同じような『経験』『能力』『性格』の持ち主が腐るほどいたとしても、3つの輪が重なる部分に自分がいるとして見たとき、自分自身がまるで数少ない人間のうちの1人であるように見えませんか?

そうです。

つまり、就活の選考においても、この3つの輪が重なる部分に自分がいるということをアピールすることができれば、あなたは採用担当に対して、自分自身をまるで唯一無二の存在のように見せることができるのです。

逆説的に言えば、就活選考において、この『唯一無二のように見せる』を実現するためには、上図のように『経験』『能力』『性格』をバランスよく組み合わせることが重要と言えます。

ESや履歴書の『頑張ったこと』や『自己PR』で目指すのは、まさにその3要素のバランスです。

そして、これは面接も例外ではありません。

たとえば、

「あなたの長所は?短所は?」

「学業以外で頑張ったことは?」

「あなたを動物で例えると何ですか?」

ような変わった質問においても、

こういった、自分の過去や現在に関する『過去現在質問』に答える場合、

全てにおいてこの図で示す『経験』『能力』『性格』のバランスを意識して答えることが重要なのです。自分をまるで唯一無二のように見せるために。

各要素と過去現在質問

これが、就職活動に必要なマインドその1です。

あらゆる『過去現在質問』に対して、このマインドその1を実現できる人間が、
有象無象の中で埋もれることなく、最後まで存在感をもって生き残り、そして勝つ

と、私は信じて就職活動をしていました。
いかがだったでしょうか。

以上がマインドその1の解説でした。

続き≫就職活動に必要なマインドその2

目次≫就活のすゝめ

2020年5月22日金曜日

就活基礎編 イントロダクション


こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、就活基礎編でお話しする『マインド』の必要性と概要についてお話しします。

就活を始めた当初、私自身もそうだったのですが、

実は、選考の過程において、就活生が「企業に評価してもらえるだろう」と思っていることと、企業が「アピールしてほしい」と思っていることの間に、大きな”ズレ”が生じていることがあります。

特に、就活始めたての就活生や、準備不足の就活生、そして以外にも、比較的優れた経歴を持っている就活生にも、その”ズレ”がよく見られます。

では、企業の目線を知れば、その”ズレ”を解消して、求められているようなESや履歴書が書けるのか、または、満足してもらえる面接ができるのか、というと、そういうわけでもありません

就活ガイダンス等では、その企業の目線とやらの集計データ等を解説がされることが度々ありますが、それらを見聞きしたところで、

「そうか!企業は○○な人材を求めているんだな! よーしっ……えっと、そんで? 結局、何をすればいいの?( ^ω^)」

となるのは、就活生の常です。

では、企業の目線を知ってもなお、なぜこのようになってしまうのか。
なぜ、適切な行動を起こせないのか。

それは、就活生が適切なスタートダッシュを切るために本当に必要なものが、そういった企業の目線云々以前のものだからです。

では、その本当に必要なものとは?

それは、選考を勝ち抜くための『マインド』(意識・考え方)です。

そして、この『マインド』は、自分を含めた就活生の群れや選考の意図全体を俯瞰して見ることで初めて得られるもので、このことについて解説していきます。

選考で必要となる思考回路のベースを作る、最も重要なパートになります。

ぜひ、参考にしてみてください。

続き≫就職活動に必要なマインドその1

2020年5月20日水曜日

就活を始める前に準備しておきたいモノ 7つ

こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、就職活動を始めるにあたって、事前に準備しておいた方が良いモノを紹介します。なお、スーツや手帳といったいわゆる、mustのモノではありません。

案外忘れそうなモノオススメのモノを7つまとめて紹介し、それぞれ簡単に解説します。



1. 書籍『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』




私自身が就職活動を始める前に読んでおいて最も良かったと思えた本です。

この本は、就職活動専用の本ではありません。

どちらかと社会人全般に向けた本ですが、他のどんな就活本よりも、役立つと思います。

この本は、小学校から大学生まで15年間(大学院生なら17年間)の長い学生生活で、すっかり刷り込まれてしまった『学生感覚』を破壊してくれます。

学生までは、成績が全てであり、お勉強ができる人が評価されてきました。しかし、社会人になると、それが大きく変わります。その評価指標の変化を掴んでいるか、掴んでいないか、が社会人としての未来を大きく分けることになると、私はこの本を読んで感じました。

そして、それを一番最初に試されるのが、まさに就職活動です。

この本を読んで『学生感覚』を壊し、就職活動を成功へと導きましょう。

また、私自身、こちらの本を読んだ後、『就活のすゝめ』シリーズで解説するような思考に至ったため、同書が私自身の考え方の基盤になっている節もあります。よって、読んでおいた方が同シリーズを飲み込みやすいかもしれません。


2. Webカメラ




コロナウイルスの影響により、オンラインによる面接が増えてきました。

そこで、パソコンがカメラを内蔵していない場合、Webカメラ事前に買っておいた方が良いでしょう。

皆が一斉に動き出す時期(だいたい3~4月)になると、売り切れが続出する可能性があるので、早めに買います。

カメラ内蔵型のパソコンでも、一応、そのカメラの画質を確認して、あまり良くないようなら、別でWebカメラを買った方が良いと思います。

一生に一度の新卒就活なので、背に腹は代えられません
できるだけ良いものを買いましょう。

「スマートフォンで面接すればええやん」

という人もいると思いますが、個人的には、スマートフォンでオンライン面接をすることはオススメしません

というのも、無線の方が通信速度は遅くなって不安定になります。固まって動かないなど、面接中のトラブルは最大限避けた方が良いです。

また、スマートフォンのように画面が小さくては向こうの表情が良く見えませんし、カメラの質も気になるところです。

よって、有線でパソコンから行うようにしましょう。


3. マイク付きイヤホン




Webカメラに同じく、オンライン面接用です。

安すぎると、すぐに調子が悪くなったり、少しのコードのねじれなどで音が途切れたりすることもあるので、最低でも3000円以上のものを買うことをオススメします。

イヤホン式とヘッドホン式がありますが、そこは拘る必要はないと思います。


4. ビデオライト




オンライン面接を行うにあたって、ビデオライトなどの顔を正面から照らす照明器具を持っておいた方が良いと思います。

これは、カメラの性能や照明の関係で、大抵は顔に暗い影がかかってしまい、どうしても表情が暗く見えてしまうからです。これは、オンライン面接特有の弊害と言っても良いです。

話しているときの表情や見た目、仕草というのは、案外、私たちが思っているよりも重要で、ときには話している内容よりも大きな影響を及ぼします。

それを物語る有名な例として、1960年のケネディとニクソンの大統領選挙があります。

当時の候補者同士の討論は、ラジオによって行われていたところ、この選挙では初の白黒テレビ討論が行われました。

その際、ケネディが着たのは濃い色のスーツで、ニクソンが着たのは薄い色のスーツでした。(肖像権等の問題が怖いので写真は載せませんが、調べるとすぐに出てきます)

(イメージ)左:ニクソン 右:ケネディ

2人の姿を見ると、ケネディには、若々しく力強い印象を抱くのに対し、ニクソンはどこか頼りない感じがします。

ニクソンが討論の内容に傾倒し、見た目を軽視した一方で、ケネディは、服装から表情、メイク、立振る舞いにまで気を遣い、イメージ戦略をも駆使していました。

そして、こういった策が功を奏し、ケネディは劣勢を覆して大統領になりました。

なんだかこれと似たような変化が、現代の就職活動にも起こっていると思えませんか?

見た目というのは、案外重要であり、一方で就活生には、明るい笑顔とフレッシュな雰囲気が求められるものです。

その顔に、暗く影がかかっていてよいのでしょうか。

同じ表情でも、顔に影がかかっている状態と、明るくはっきりした状態では、面接時の印象がかなり違ってくると思います。

よって、ビデオライト、またはそれに類似するものを用意しておきましょう。
(もちろん、カメラの性能にも気を使いましょう)


5. ストッパ




これに関しては、特に解説はありません。

ただ、あらゆる可能性に備えておきましょう。


6. 首枕(空気式)




説明会会場や面接会場の行きかえりで、バスや電車で睡眠をとる際に、首を痛めないためにあった方が良いです。(といっても、最近はコロナ騒ぎで移動を強いられることはそうそうないですが)

特に、私もそうでしたが、地方大学の大学生は夜行バスなど長距離・長時間移動を強いられるので、首枕は必須アイテムです。


以上が何気に忘れがちで、個人的には必須なアイテムになります。

モノによっては、皆が一斉に動き出す時期になると一気に売り切れてしまう可能性があるので、就職活動を始める前に買っておいた方が良いと思います。


7. クレジットカード


これに関しては、商品ではありませんが、クレジットカードを作っておくと非常に便利です。メリットは主に次の3つです。

(1) 手元に大きなお金を持たなくていい

(2) ポイントが付いてお得(特に就活中)

(3) 学生のうちの方が申請が通りやすい

(1) 手元に大きなお金を持たなくていい


人にもよりますが、就活中はかなり忙しいし、心身ともにどっと疲れます。

そんな中、バスや電車を予約するときに、いちいち窓口で予約したり、決済のためにわざわざコンビニへ向かったり、とても億劫になります。大きな金額を札束で手元に置いておくのも落ち着きません。

カードを作っておけば、大抵はネットで簡単に決済が済みます。非常に楽です。



(2) ポイントが付いてお得


現金では、大抵がお金を払っておしまいですが、クレジットカードには、購入と同時に、その購入額に応じたポイントが付くサービスがあります。

例えば、楽天カードやイオンカードは初心者でも作りやすい代表格です。
提携店舗やサービス等でのカードの使用に伴って、ポイントが貯まり、電子マネーとして1ポイント1円で利用できます。

特に、人によっては就活中、日本中飛び回って出費がかさむため、カード払いにした方がポイントが貯まってお得です。私自身、地方大学出身なので、就活中はかなりのポイントを稼ぎました。

(3) 学生のうちの方が申請が通りやすい


場合にもよりますが、大抵は社会人1年目よりも、学生の方がクレジットカードの審査が通りやすいです。

というのも、学生の場合は親の扶養に入っており、家庭に大学に通わせるだけのお金が実家にあるというように見られますが、社会人1年目は、扶養から外れ、審査項目が自分の給与や勤続年数だけになってしまいます。大抵は、前者の方が信用力が大きいと考えられます。

よって、学生のうちに作っておいて、就活も楽に進めることをオススメします。


続き≫就活基礎編イントロダクション

目次≫就活のすゝめ

2020年5月18日月曜日

『就活のすゝめ』シリーズ 説明書


こんにちは、ブリキラッコです。

ここでは、『就活のすゝめ』シリーズの流れについて説明しします。

わざわざ、この記事を書いている経緯ですが、本格的に当シリーズを読み始める前に、このように各地点での目的やゴールを明確にしておいた方が、読者の皆さんにとって、先が見えて都合が良いかな、と思ったことです。

というのも、このシリーズ、長いのです。全部で17本あります。

わざわざ17本もの記事をシリーズ化している意図についても、最後にお話ししていきたいと思います。

では、始めていきましょう。



1. 『就活のすゝめ』シリーズの各項目の目的・ゴール


(1) はじめに

(2) 就活基礎編

(3) ES&履歴書編

(4) 面接対策編

各地点における、目的やゴールを簡単にお話しします。

(1) はじめに


『就活のすゝめ』シリーズと就職活動のイントロダクションです。

当記事を含め、『就活のすゝめ』シリーズ及び、就職活動そのものを始める前に、事前に把握しておいてほしいことや、準備しておいた方が良いモノについて、お話ししています。

何気に忘れがちな物資の準備と、このシリーズを読み切る腹を決めることがゴールです。

(2) 就活基礎編


就活を勝ち抜くために最も重要な『マインド』(意識・考え方)について解説します。

この『マインド』は、書類選考から面接まで、選考の全てに関わる、いわば就活の要になります。よって、ここがブレていると全てぐらつくと私は考えています。

ここで、当シリーズでは、選考で問われる質問を性質によって以下の2つに分類しています。

過去現在質問自分自身の過去や現在に関する質問
未来質問自分と企業未来に関する質問

そのため、これらに対し、『マインド』も2つに分かれており、

過去現在質問に上手く答えるための『マインドその1』
未来質問に上手く答えるための『マインドその2』

となります。この2つの『マインド』をマスターすることが、この就活基礎編でのゴールになります。

(3) ES&履歴書編


ES及び履歴書の『三大質問』である『学生時代に最も頑張ったこと』『自己PR』『志望動機』に上手く筆答する方法について解説します。

各質問への悪い回答例と良い回答例の比較を通して、『マインドその1,2』の重要性や、より魅力的に答えるためのコツやフォーマットを紹介・解説します。

この『三大質問』への回答が、その後の面接への布石となります。『三大質問』をうまく仕上げた人が、面接対策も上手に行い、就活を成功へと導きます。

よって、質の高い『三大質問』を書きあげ、ES&履歴書を完成させることが、このパートのゴールになります。

(4) 面接対策編


面接でよくある質問について、回答のコツを回答例とともに解説します。

ESや履歴書との一貫性に気を付けながら、できるだけ多くの質問への対策を行います。とはいえ、ここまでくると、それほど難しいことではなくなっているはずです。

少なくとも、当シリーズで紹介・解説する全ての質問への回答を完成させることがゴールになります。


2. 『就活のすゝめ』シリーズの構成について


ここまでを読んで察した方もいると思いますが、こちらのシリーズは最初から最後まで、全て読まないといけない構成になっています。

申し訳ないですが、1冊の本みたいになっています。

しかし、ここで、ちょっと考えてみて欲しいのです。

就職活動の選考というのは、適性検査で始まり、エントリーシートや履歴書を評価する書類選考から、一次面接、二次面接、最後は最終面接へと続く、言わば一本の道です。

つまり、どれか1つが良かったらオールオッケーというわけではなく、最初の段階から評価を積み重ねて、最後にはこれまでの選考全体を振り返ってもなお、高評価を得なければならない。

全てが数珠つなぎなわけです。

一回も躓くことはできない、そんな険しい一本道、それが就職活動なんです。

では、その就職活動のための解説がテーマごとにチグハグで良いのでしょうか?

バラバラのサイトから得たチグハグで煩雑な知識と考え方を(自分なりにまとめられたならともかく)そのまま鵜呑みにして、エントリーシートや履歴書の作成を行い、そして面接対策をしたとして、果たしてそれらは就職活動で正常に機能するのでしょうか?

何度か、うまく行くことはあるでしょう。
しかし、それって、とても不確かではありませんか?

つまり、解説の方も最初から最後まで話が繋がっていないとおかしいのです。

でないと、理屈に合いません。

そんなわけで当ブログの『就活のすゝめ』シリーズは、本来あるべき構成になっています。

全て読まないといけないのは非常に面倒くさいですが、その代わり、ダラダラ色んなサイトを巡って色んな解説を読むよりも、ずっと良い助けになると思います。

よろしければ読んでいただいて、お役に立てれば光栄です。

続き≫就活を始める前に準備しておきたいもの7つ

目次≫就活のすゝめ

2020年5月14日木曜日

文法学習 +α|1カ月目|TOEIC900 1年勉強法

こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、中学文法をすでにマスターしている人向けのPart5対策の教材を紹介します。

それは、『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』です。


私自身が、こちらの教材を使用したのは、TOEIC900勉強法を始める一年ほど前で、TOEIC400点台から500点にスコアアップしたときです。

つまり、TOEIC900 1年勉強法では使用していません。

しかし、当時、この教材で学習したことで、Part5で最低でも約8割は正解できるようになり、当時TOEIC500点を取得できたのは確かであり、現在の英語力に貢献していることも否めません。

よって、余力がある方は、Part5対策として、最低1周分は学習おくことはオススメします。

この教材を使用する際のポイントを述べておくと、それはしっかり解説を読んで復習することです。問題を解きっぱなしにはしません。

分からなかった問題にはチェックをつけておいて、短期間に何度も解きなおし復習するようにしましょう。

解説を読むことも復習することも、当たり前のことにように思えて、案外、解いて満足しがちなものですが、そこで余力を振り絞って、一歩踏み出すことが大切です。

どんな勉強でも分からなかったことを分かるようにすることが最重要で、そこを省くと、それはもはや作業になってしまいます。

解いた時間を無駄にしないためにも、復習にこそ神経を注ぎましょう。

続き≫Youtube発音学習 [改訂版]|1カ月目

元の記事に戻る≫中学文法復習 [改訂版]|1カ月目

全体の流れ≫TOEIC900 1年勉強法

2020年5月12日火曜日

多読本ラダーシリーズを読もう [改訂版]|6~12か月目|TOEIC900 1年勉強法

こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、TOEIC900 1年勉強法において、6~12か月目に行う、リーディングの勉強法についてお話しします。

とはいえ、ほぼ勉強とは呼べないような勉強法になります。

理由は、ただ英語の本を毎日最低1時間、読むだけだからです。

勉強法はこれだけです。誰でも思いつくし、やろうとしたことがあると思います。しかし、大抵は思うように実力が付かず、長続きしないのが常です。

そこで今回は、長く続けるためのオススメの多読本や、読む上でのルールについてお話しします。

最後には、皆さんのモチベのためにも、実際に私がこの勉強法でどれくらいスコアを伸ばしたかをお話しします。



1. リーディング強化には多読本がオススメ


別に、多読本でなくて、自分の興味があるサイトや本でもかまいませんが、個人的には、使用される文法や語彙が限定されている多読本がオススメです。

その多読本の中でも、私が利用していたのは、ラダーシリーズです。



ラダーシリーズには以下の3つの特徴があります。

(1) 幅広いジャンル

(2) 語彙力で5段階のレベル分け

(3) 辞書が付いている

それぞれ軽く解説します。

(1) 幅広いジャンル


このラダーシリーズには、エッセイや偉人の伝記から、推理小説や恋愛小説まで、変わったものではセンター試験の問題文など、幅広いジャンルの多読本が揃っています。

(2) 語彙力で5段階のレベル分け


語彙力によって、本のレベルが1~5まで分かれており、初心者にもやさしいものになっています。

(3) 辞書が付いている


巻末には、本文に出てきた語彙の辞書がついているのd、え分からない単語があっても、比較的容易に調べることができます。


以上の3つの特徴から、探せば大抵、自分の興味・関心や語彙レベルにフィットするものがあるため、非常にオススメします。

そして、私の知る限り、大抵の公立図書館や大学図書館には、このラダーシリーズがおいてあるので、学生等の金銭的に余裕がない方でも、無料で読むことができます。

私自身、ほとんど大学の図書館で借りては読んでいました。


2. 多読本を読む上でのルール


リーディング力を向上させる上で、重要なのはたくさん読むことだと思います。

そのために、守ってほしいことが3点あります。

(1) ダラダラ読まない

(2) つまらなかったら読むのを止める

(3) 知らない語彙はなるべく推測する

それぞれ簡単に解説します。

(1) ダラダラ読まない


いちいち、「この文の構造はSVOOで、次の文はSVCでなんとかかんとか」みたいな感じで、中高の英語の授業みたいなことは考えません

しっかり内容を理解できる範囲内で、できるだけ早く読むことを常に意識して読みます。

(2) つまらなかったら読むのを止める


つまんなかったり、文法が複雑で読みにくい場合、結局ダラダラ読んでしまうので、意味がありません。

ラダーシリーズには、たくさんのジャンルの本があるのですから、こういう場合はさっさと次の本に移りましょう。

(3) 知らない語彙はなるべく推測する


知らない単語が出てきても調べず、意味を推測して読み進めることです。

絶対調べてはいけないということではありませんが、1ページごとに分からない単語が出てくるのに、それをいちいち調べていたら、読むペースが崩れて、結局、ダラダラ読む羽目に遭ってしまいます。

よって、別に1語2語分からなくても、物語の大概は分かるので、分からない単語は意味を推測して読み進めます。

分からない単語が多すぎる場合は、レベルを下げて次の本を探しましょう。


以上の3点を守っていれば、失敗することはないと思います。

大切なのは、たくさん読むことです。

なお、同じ本を2回読むことは良いことなので、積極的にやると良いと思います。

2回読みをすると、本の内容への理解が深まることや、スラスラ読むクセが身に付くことなどのメリットがあります。


3. モチベを保つ方法


モチベを保つ方法として、読破した本の語数を記録して、度々眺めると結構続きます。
(ラダーシリーズには、裏表紙に使用された語数が記載されています)

特に、最初の方は、かなりキツイので、こうして数字で達成感を得ることはオススメです。

私自身、TOEIC900を取得するまでの7カ月間(2019/6/7~2020/1/6)は、語数を記録していました。

記録は、ラダーシリーズだけで21冊、合計358,140語です。
(このうち半分くらいは2回読みしました)

実際に私が読んだこの21冊のラダーシリーズ本の紹介記事はこちらから。

私もまだまだフリーザ様には及ばないので、
これからも色々読んでいきたいですね。


4. 最後に


この多読本による学習ですが、最初の1冊目が一番キツいです。

私自身、最初に読んだのは、昔に日本語で読んだことのある、太宰治の『走れメロス』(語彙レベル 1)でしたが、あの苦しさを未だに忘れません

しかし、2冊目、3冊目と、冊数を重ねるにつれて、一気に楽になっていきます。

何冊目かははっきり覚えていませんが、
少なくとも読み始めて1年経つ頃には、ほぼ弊害なく、日本語とほぼ同じ感覚で読むことができるようになります。

とにかく、続けることが大切です。

ここで、

「こんなんで本当に点数上がるの?」

と思っている方がいると思います。

論より証拠と言いますので、実際に私が取得したスコアを見せます。



これは、多読本を読み始めて約2カ月のとき、8冊読んだ時点でのスコアです。

たった8冊読んだだけで、リーディングのスコアが290点(前回)から、385点に大幅に上がりました。

(実は前回の2018年10月より、リスニングのスコアが下がっていますが、これは、就活明けだったからであって、決して、リーディングに力を注ぎすぎて、リスニング学習がおざなりになっていたからというわけではありません(大嘘))

たくさん読めば、その分実力がつき、速く読めるようになれます。

ぜひ、信じて頑張ってみてください。

続き≫Part7の解き方訓練|12か月目のみ

一緒に読まれている記事≫ラダーシリーズ 評価と感想 21冊分 一覧

全体の流れ≫TOEIC900 1年勉強法

2020年5月10日日曜日

TOEIC公式問題集モノマネ(2) [改訂版]|6~12カ月目|TOEIC900 1年勉強法

こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、TOEIC900 1年勉強法において6~12カ月目で行う、TOEIC公式問題集モノマネ(2)についてお話しします。

5カ月目を終えた時点で、確実にレベルが上がっており、前回の『TOEIC公式問題集モノマネ(1)』のやり方では非効率になってくるので、学習ステップを変えていきます。

学習ステップの話に入る前に、新しい公式問題集の購入タイミングについて、軽くお話ししますが、数冊持っている方は飛ばしても良いと思います。



1. 新しい公式問題集を買うタイミング


6カ月目からは、新しい公式問題集を買って、懲りずにモノマネをしていきます。
私の場合は、TOEIC公式問題集のVol. 4を買いました。


「新しい問題集を買うタイミングっていつ?」

と疑問に思う方はいると思います。

私の場合、試験本番の2週間前に買うようにしていました。

試験2週間前には買っておいて、試験前の予行演習でその問題集(テスト2回分)を一通り解き、この使用済みの公式問題集を、次のモノマネ学習に使いまわすようにします。


2. 学習ステップと解説



(1) その日の目標の学習量を決める(気分で変更OK)


たとえば、

Part1なら、1日全部
Part2なら、1日半分ずつ
Part3, 4なら、1日2~3パラグラフずつ

という感じで、その日の目標の学習量を決めます。

前回『TOEIC公式問題集モノマネ(1)』では、(特にPart3, 4で)1文ずつ丁寧に進めていたところを、今回は初めからパラグラフごとにまとめて進めていくところが大きく違います。

よって、以降の学習ステップ(2)~(7)は、
Part1とPart2なら、1問ごとに、
Part3とPart4なら、1パラグラフごとに進めていきます。

(2)内容に意識を向けてリスニング音声を聞く


どんな内容なのか、聞き取れなかったコロケーションはあったか、などに意識を向けながら、音声を聞きます。軽く口ずさみながら聞くのも良いです。

(3) 音声を止めずにシャドウィングする


とりあえず、できなくてもいいのでシャドウィングを行います。
このとき、どこでついていけなくなったかだけは明確に把握します。

(4) 音声を止めながらオーバーラッピングをする


ステップ(2)で聞き取れていなかったところや、スムーズに発音できなかったところに重点をおいて、オーバーラッピングをします。

(5) スムーズになるまでオーバーラッピングを繰り返す


ある程度スムーズにモノマネできるようになるまで、文またはパラグラフのオーバーラッピングを2, 3回繰り返します。

(6) 音読とシャドウィングをする


これまでのステップの総仕上げとして、音声なしでスクリプトを音読し、最後にシャドウィングを行います。

おおよそスムーズにシャドウィングできるようになっているはずです。

(7) 目標までステップ(2)~(6)を繰り返し


ステップ(1)で決めた目標の学習量に達するまで、各文または各パラグラフごとにステップ(2)~(6)を行います。



以上の7ステップで学習を進め、同じテストを何周もしているうちに、最終的にステップ(3)のシャドウィングをミスなくこなせるようになると思います。

さすがに限界まで飽きてきたくらいで、次のテストに移ります。

もしくは、あえて1つ前の公式問題集に戻るのも良いかもしれません。

私自身、公式問題集Vol.1, 4, 5を持っていましたが、モノマネに使用したのはVol.1とVol.4だけで、これらを交互にやり込んでいました。


3. 最後に


私は6~12カ月の学習を経て、ついにTOEIC900を取得しました。

先述しましたが、この時点でモノマネ学習に使用したTOEIC公式問題集はVol.1とVol.4の2冊だけです。


このように、ただモノマネしているだけで、リスニング400点代後半を取得できるようになりました。

6~12カ月くらいになると、細かいやり方は自由だと思います。

しかし、できるようになるほど、自分の穴が見えにくくて雑になってきます。

よって、紹介したようなステップで、慎重に進めていくことをオススメします。

今回の解説は以上です。

続き≫多読本ラダーシリーズを読もう [改訂版]|6~12か月目

全体の流れ≫TOEIC900 1年勉強法

2020年5月8日金曜日

TOEIC公式問題集モノマネ(1) [改訂版]|4~5カ月目|TOEIC900 1年勉強法

こんにちは、ブリキらっこです。

当記事は『TOEIC900 1年勉強法』シリーズの途中となっています。初見の方はこちら『TOEIC公式問題集1冊だけでスコアアップ【勉強法 簡単解説】』で概要を把握することをオススメします!

ここでは、TOEIC900 1年勉強法で4~5カ月目で行う、TOEIC公式問題集モノマネ(1)のやり方や注意点についてお話しします。

なお、TOEIC公式問題集モノマネ自体は、4~12カ月の9カ月間ずっと行いますが、レベルに合わせて学習手順が違ってくるので、(1) 4~5カ月目と(2) 6~12カ月目で分けて説明しています。

では、始めていきましょう。



1. この学習の目的


目的は主に次の2つになります。

(1) リダクション、リンキング、コロケーションについて学ぶ

(2) TOEICレベルの会話内容・会話量・スピードに慣れる

目的(1)は、『Youtubeスクリプト付き音声モノマネ』と同じです。
目的(2)の必要性については、言わずもがなのことと思いますが、やはりほとんど聞き取れてないと高得点は狙えませんので、念頭に置いて学習を進めましょう。


2. モノマネ学習にTOEIC公式問題集がベストな理由



ここで、

「公式問題集でないとダメなの?」

と疑問に思うかもしれません。

絶対に公式問題集でないといけない、というわけではないですが、なるべく公式問題集の方が良いです。

理由は大きく2つあります。

(1) 公式テストと製作元が同じであり、単語から問題傾向まで本番に最も近いこと

(2) リスニングの話し手が、本番のテストと同じ人であること

理由(1)はもちろんなのですが、個人的には理由(2)の方を重要視しています。

モノマネする対象が、本番のテストと同じ人であった方が、
その人の声質や話し方のクセに慣れることができ、対策としてはより良いですよね。

よって、公式問題集でモノマネ練習をする方がオススメです。


3. TOEIC公式問題集を1冊だけ買う


タイトル通り、TOEIC公式問題集を1冊だけ買います。1冊だけで十分です。

というのも、真面目にやっていれば、1冊だけで2, 3カ月なんてあっという間に過ぎていきます。

また、短期間に急いで何冊もモノマネ学習して、本来の目的に沿わないものになってしまうケースを避けるためにも、買うのは1冊だけです。

私自身がこのモノマネ学習で最初に手を付けたのは、一度英語を諦めたときに買ったTOEIC L&R 公式問題集のVol. 1でした。




ここで、公式が出している問題集であれば、現在最新のVol. 6でもなんでも構いません。

とにかく1冊を2カ月は使い倒します。


4. 学習フェーズと解説


学習の手順は次の3フェーズになります。


なお、「学習ステップ」と「学習フェーズ」という言葉を使っていますが、必要時間(期間)の違いを明確に区別するために、言葉を分けています。

学習ステップ:1ステップあたり数~数時間
学習フェーズ:1フェーズあたり数~数週間

(1) 1文ずつ丁寧にオーバーラッピング


フェーズ(1)の細かい学習ステップは『Youtubeスクリプト付き音声モノマネ』と全く同じで、1文ずつ丁寧にオーバーラッピングします。教材がYoutubeから公式問題集になっただけの話です。

始めたばかりの頃ほど、聞き取れない、または発音できないリダクションやリンキングが多くでてきますが、絶対に無視しません

完コピを目指すつもりで、その日のうちに、少しでも良いので改善します。

そして、前日にやった箇所は翌日に必ず復習します。とにかく復習が大事です。

最初は全く前進しませんが、とにかく根気に、1日最低30分毎日続けます。

Part1からPart4まで1周分のオーバーラッピングを終えたら、フェーズ(2)に入ります。


(2) 懲りずに何周もオーバーラッピング


フェーズ(1)にて、Part1からPart4までのオーバーラッピングが一通り終わりますが、次のテストには移りません

フェーズ(2)では、同じテストを使って、今度は1文ずつではなく、(特にPart3, 4で)1パラグラフごとに区切り、なるべく音声を止めずにオーバーラッピングします。

しかし、追いつけない箇所は必ず出てくるので、そういった場合は止めたり、巻き戻したりしてやり直します。

ここでも、その日に学習した問題やパラグラフは、翌日必ず復習しましょう。

2, 3周ほどしているうちに、音源と同じスピードでオーバーラッピングできるようになり、また、スクリプトと発音を覚えるようになってきます。この状態になったくらいで、フェーズ(3)に移ります。

(3) 仕上げのシャドウィング


シャドウィングとは、リスニング音声を聞きながら、聞いた内容を音声に続けて発声する学習方法です。インプットが耳のみになるので難易度が上がります。

フェーズ(2)を経て、難なくオーバーラッピングできるようになってきた辺りで、シャドウィングに切り替えます。

これまで散々オーバーラッピングをやってきた上に、テキストを見ずに行う分、目を使わないので余裕が生まれます。

この余裕が生まれることで、オーバーラッピングでは気が付かなかった、自分が本当は聞き取れていない箇所や、うまく発音できないところがはっきりします。

そこは再度、オーバーラッピングを行い、修正していきます。

この仕上げシャドウィングも最低2周はしましょう。


以上の3フェーズです。

これを公式問題集1冊分(2テスト分)やっているだけで、2, 3ヶ月なんてあっという間に過ぎていきます。


5. 最後に


さて、いかがだったでしょうか。

「こんなんで、本当にスコア上がるの?」

と不安に思っている人がいると思います。

よって、論より証拠と言いますし、
最後に、私がこの5カ月目を終えて、実際に取得したスコアを載せておきます。


このように、公式問題集たった1冊だけで、リスニングで435点を取得しました。

なので、信用して頑張ってみてください。

ここで、リーディングを見ると290点と、リスニング力に引っ張られて少し上がりましたが、まだまだ低いことが分かります。

ここまでの学習では、リスニングを学習するだけで精一杯でしたが、5カ月目を終えたあたりで、モノマネのスピードが格段に上がり、心に少し余裕が生まれます。

そこで、6カ月目以降は、TOEIC公式問題集モノマネ(2)に加え、ついに、ラダーシリーズなどの多読本を用いたリーディングの学習にも取り掛かります。

続き≫TOEIC公式問題集モノマネ(2) [改訂版]|6~12か月目


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