ここでは、就職活動に必要なマインド(意識と考え方)を作ります。
内容が煩雑にならないように2部にわけます。
そこで、今回は『就職活動に必要なマインドその1』と題しました。
結論から話すと、就職活動に必要なマインドその1はこの図で簡単に説明できます。
マインドその1
当記事の解説を読んで、この図が意味することを正しく理解できれば、就職活動に必要なマインドその1をマスターできると思います。
では、さっそく始めていきましょう。
1. マインドその1とは
マインドその1は、自分の過去や現在の情報について答える質問『過去現在質問』に上手く対応するためのマインドです。(旧記事では『自分寄り質問』と呼んでいます)
この『過去現在質問』に該当する質問は以下のようなものです。
「あなたが学生時代もっとも頑張ったことはなんですか」
「あなたの自己PRをお願いします」
「あなたの長所は?短所は?」
「学業以外で頑張ったことは?」など
このように、全て自分の過去や現在に関わる質問です。
また、最初の2つの質問に関しては、ESや履歴書の三大質問のうち2つ『学生時代に最も頑張ったこと』と『自己PR』になります。
(今回の『マインドその1』と『過去現在質問』と対になるのが、『マインドその2』と『未来質問』ですが、これらについては続きの記事で解説します)
2. マインドその1の解説
では、マインドその1の存在理由が分かったところで、これがいったいどういうものか、解説します。
それにあたって、まずは、当時の私を含め、就活生の皆さんにありがちな固定概念を壊す、いわゆるマインドリセットをしてもらうところから始めます。
鍵は、就活生全体を俯瞰してみることです。
(1) マインドリセットをしよう
マインドリセットとして、就活生が自覚すべきこと。
結論から言えば、それは、
自分と同じような経験をしたことがある人なんて腐るほどいる
ということです。
「いや、別に普通じゃね?」
と思うかもしれませんが、果たしてどうでしょうか。
私自身が就活を通して感じた印象ですが、わりと多くの就活生が、まずは自分の経験を詳細に語りたがる節があります。
それを考えると、皆さんも案外、身に染みていないかもしれません。
実際に、就職活動始めたての人や、準備不足の人、人よりレアな経験をしている人ほど、ここで躓く人が多いです。
そこで、このことが分かりやすいように、例を示したいと思います。
たとえば、特に多くの学生が(同じ経験をした人は腐るほどいるのに)『自分だけ』と勘違いしやすい経験は以下のようなものがあります。
「世界で誰もやってないような研究やった。または、企業の事業に関連する研究やった」
「TOEICすごく高い点数とった。すごい資格とった。学会で賞とった」
「海外留学した。海外の国を縦断した、横断した」
「ボランティア活動をした。ベンチャー企業に参加した、または立ち上げた」
少なくとも、ここで例に挙げられるような経験は全部、同じことしている人が腐るほどいます。思ったよりありふれています。
「いやいや、やっていることの詳細は違うから、そこをアピールすればええやん」
と思うかもしれませんが、その思考こそが落とし穴です。
確かに、これらの経験の詳細は多少違うでしょう。
だとしても、カテゴリーが同じならだいたいみんな似たようなものくらいにとらえておいた方が良いです。
例えば、研究なら何の研究とか関係なしにおおよそ一括り、
留学もどこの国のどこの大学とか関係なしに一括りです。
「なんでや……」
それは、あなたが自分自身の『経験』と他人の『類似する経験』との違いについて、どれだけ事細かに語ったとしても、畑違いの人間からしたら、煩雑でよく分からないという印象しか残らないからです。
そして、よく分からない詳細はともかく、同じような『経験』した人たちなら、皆だいたい同じに捉えられてしまうってことです。
例えば、あなただって、目の前に全く詳しくない他学部・他学科の専門科目の名前を並べられたとして、「いや、こんなんだいたい全部同じやん」って投げ出したくなりませんか?
さらに、その講義を受けろと言われたって、億劫になるでしょう。だって、聞いたところで半分も分からないんだから。
これは、長々と『経験』の詳細を聞かされる採用担当だって同じです。
つまり、あなたがESや履歴書、面接で、自分自身の『経験』について事細かに語ったところで、その話の深さ浅さに関わらず、
採用担当からすれば、類似する『経験』を語った人たちとまとめて、次の図のように見えていると考えられます。
あなたとあなたと同じような経験をした人たち
多少の差はあれ、同じような『経験』をしている人間が、同じ『経験』の枠の中にたくさんいるという状態に見えるわけです。
(業界や企業にもよるが、特に工学系なんかは、大学で専攻した分野に進む学生の割合が多く、みんな揃って研究や実習のこととか話したがるため、実際にこのような構図になりやすい)
この同じ『経験』の枠の中で、あなたが周りと違うことをアピールしようとしても難しいのです。
ここでさらに、『経験』と同様に、就活で自分をアピールするための主要素として、他には『能力』と『性格』が挙げられます。
『能力』と『性格』、これら2つの要素についても、それぞれ単品では『経験』の時と同じことが言えます。
多少の差はあれ、自分と同じような『能力』、そして同じような『性格』の人たちを枠でくくると、それぞれ下図のようになるのです。
あなたとあなたと同じような能力と性格の持ち主
特に『性格』なんかで考えるとより分かりやすいです。
たとえ、あなたが採用担当だったとしても、
「私は協調性のある人間です!(ドンッ)」
と自己紹介されたら、
「いやいや、そういう人って結構いるでしょ……(呆)」
となるでしょう。
よって、以上の話と上で示した3つの図から、
あなたと同じような『経験』をした人は腐るほどいるし、
あなたと同じような『能力』の持ち主も腐るほどいるし、
あなたと同じような『性格』の持ち主も腐るほどいる
ということがよくわかったと思います。
これを深く自覚することで、マインドリセットは完了です。
(2) 就職活動に必要なマインドその1
さて、マインドリセットが完了しましたが、困りました。
『経験』『能力』『性格』、どれをとっても自分と似たような人間が腐るほどいるため、どれか1つで勝負しようとしたって有象無象に埋もれてしまう。負けて当然なわけです。
厳しいですね。
もはやどこも受かる気がしない。
しかし、まだ希望はあるのです。
もしここで、あなたが『経験』『能力』『性格』をうまく組み合わせて自分をアピールできたなら、図はこのようになるのです。
『経験』『能力』『性格』をまとめてアピール
この図からは、たとえ、あなたと同じような『経験』『能力』『性格』の持ち主が腐るほどいたとしても、3つの輪が重なる部分に自分がいるとして見たとき、自分自身がまるで数少ない人間のうちの1人であるように見えませんか?
そうです。
つまり、就活の選考においても、この3つの輪が重なる部分に自分がいるということをアピールすることができれば、あなたは採用担当に対して、自分自身をまるで唯一無二の存在のように見せることができるのです。
逆説的に言えば、就活選考において、この『唯一無二のように見せる』を実現するためには、上図のように『経験』『能力』『性格』をバランスよく組み合わせることが重要と言えます。
ESや履歴書の『頑張ったこと』や『自己PR』で目指すのは、まさにその3要素のバランスです。
そして、これは面接も例外ではありません。
たとえば、
「あなたの長所は?短所は?」
「学業以外で頑張ったことは?」
「あなたを動物で例えると何ですか?」
ような変わった質問においても、
こういった、自分の過去や現在に関する『過去現在質問』に答える場合、
全てにおいてこの図で示す『経験』『能力』『性格』のバランスを意識して答えることが重要なのです。自分をまるで唯一無二のように見せるために。
各要素と過去現在質問
これが、就職活動に必要なマインドその1です。
あらゆる『過去現在質問』に対して、このマインドその1を実現できる人間が、
有象無象の中で埋もれることなく、最後まで存在感をもって生き残り、そして勝つ。
と、私は信じて就職活動をしていました。
いかがだったでしょうか。
以上がマインドその1の解説でした。
続き≫就職活動に必要なマインドその2
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