今回の記事は、『就職活動に必要なマインドその1』の続きとなっています。未読の方は、先にこちらをご覧になった方が理解が深まります。
結論から言うと、就職活動に必要なマインドその2は、こちらの図で簡単に表すことができます。
就職活動に必要なマインドその2
図でも示していますが、マインドその2のキーフレーズは、「『技術』としてではなく、『素養』として見せる」です。
いきなり『技術』やら『素養』やら、わけがわからないと思いますが、最終的にこのフレーズに繋がるよう段階的に解説します。
最後は、この図が意味することを理解し、いつでもどこでも思い出せるようになる、つまり、マインドその2をマスターできると思います。
それでは、始めていきましょう。
1. マインドその2とは
マインドその2は、自分と企業の未来の姿について答える質問『未来質問』に上手く対応するためのマインドです。(旧記事では『企業寄り質問』と呼んでいます)
(前回の『過去現在質問』は、自分の過去と現在の情報について答える質問)
この『未来質問』に該当する質問は以下のようなものです。
「あなたの志望動機を教えてください」
「十年後の自分の未来像はどのようになっていますか?」
「あなたの研究または学んできたことは弊社でどのように役立つだろうか?」
このように、全て自分と企業の未来に関わる質問です。
また、例の1つ目に挙げた質問は、ESや履歴書の三大質問のうち1つ『志望動機』になります。
2. マインドその2の解説
ここからは、マインドその2の解説に移りますが、その前に。
解説しやすくするために、例のマインドその2の図を以下のように2セクションに分けます。
就職活動に必要なマインドその2
左側の赤枠部分は、マインドその2を理解するための最低限の前知識のお話しで、
右側の青枠部分は、マインドその2の神髄である『技術』と『素養』のお話しです。
まずは、赤枠部分の最低限の前知識についてお話ししていきましょう。
(1) 最低限の前知識を身に着けよう
手始めに、前回のおさらいです。
『マインドその1』の図を見てみましょう。
就職活動に必要なマインドその1
この図に示すように、『経験』『能力』『性格』の重なる部分を目指して、3要素バランスよく過去現在質問に答えれば、自分をまるで『唯一無二の存在として見せる』ことができるということでした。
これに対して、
『未来質問』では、(過去現在質問で答えた)自身の『経験』『能力』『性格』の3要素を根拠とし、企業の特徴と絡めて答えることが重要であり、これが最低限の前知識となります。
分かりやすいように簡単な例を示すと、たとえば『志望動機』なら、以下のような答え方です。
「私は○○な性格であるため、貴社の××といった理念に惹かれました。また、私の□□の経験や■■の能力に関しては、貴社の△△といった業務に活かすことができ、さらに成長していくことができると考えております」
(実際はもっとしっかりした文章であるべきですが、ここでは簡単に示しています。ちゃんとした志望動機の例はこちらから)
このように、3要素を根拠にして、企業の特徴を絡めて答えます。
そして、これを成し得るためには、以下の2点が必須条件になります。
- マインドその1に従って『過去現在質問』に適切に回答する
- 十分な『業界・企業研究』を行う
まず、前者についてですが、
『頑張ったこと』や『自己PR』といった過去現在質問への回答で、『経験』『能力』『性格』をうまくアピールできていないのに、『志望動機』等の未来質問の根拠に、それらを引っ張ってきても効果は薄くなります。
その理由を簡単に説明すると、例えば、
「頭にきたから、殴った」
と言うのと、
「いきなり殴られて、頭にきたから、殴った」
と言うのとでは、受け手の印象が大きく違います。「いきなり殴られて」という背景があるからこそ、「頭にきたから、殴った」という行為に多少納得させられるわけです。
これと同様に、自分の『経験』『能力』『性格』について、『頑張ったこと』や『自己PR』などの過去現在質問で事前に答えておいた上で、それらを根拠として未来質問に答えた方が、納得感が増し、ベターであると言えるわけです。(当然、難しい場合はその限りではありません。事前に述べてなくても面接で聞かれることもあります)
そのため、過去現在質問では、マインドその1を守って『経験』『能力』『性格』をバランスよくアピールしておくことは必須条件と言えるわけです。
そして、後者について、
これは当然ですが、例のように「○○といった理念」「△△といった業務」のように答えるには、業界・企業研究により、応募先の企業やその企業の属する業界の情報についてよく調べ、知っていなければいけません。つまり、『業界・企業研究』をよく行っておく必要があると言えるわけです。
以上をまとめると、
精巧な過去現在質問と十分な業界・企業研究の2条件を満たした上で、
『経験』『能力』『性格』の3要素を根拠とし、企業の特徴と絡めて『未来質問』に答えること。
これが『未来質問』に答える際のポイント、最前提の前知識になります。
これを図に表すと、まさに最初に示したマインドその2の赤枠部分のようなイメージになります。
就職活動に必要なマインドその2
以上が最前提の前知識のお話しです。
ここまでの内容は、就職活動始めたての人には新しい話かもしれませんが、しばらく取り組んでいる人はなんとなくわかっている話です。
しかし、本題はここからです。
しばらく就活に取り組んでいる人でも気が付きにくい、『マインドその2』の神髄(上図の青枠)『技術』と『素養』について話していきます。
(2) 就職活動に必要なマインドその2
就職活動に必要なマインドその2
さて、前置きが長くなりましたが、ここまでくるとマインドその2は簡単です。
キーフレーズは、「『技術』としてではなく『素養』として見せる」
これの意味するところは、例を使うととても簡単に解説できます。
というわけで、
まずは、 『技術』として見せる場合の『志望動機』の簡単な例を挙げると、以下のようになります。
「私には△△の『経験』や■■の『能力』、さらに××な『性格』があるので、それらを駆使して貴社が今抱えている○○といった問題の解決に貢献することができます」
この口調は、少し独りよがりに感じられますし、まるで、
「私には、貴社を成功に導けるだけの十分な『技術』があるのです」
と言わんばかりに聞こえませんか?
このことから、私はこのような語り口で話すことを「(『経験』『能力』『性格』の3要素を)『技術』として見せる」と呼んでいます。
これに対して、
『素養』として見せるとはどういうことか。
同じく『志望動機』で簡単な例を挙げると、以下のようになります。
「私には△△の『経験』や■■の『能力』、××な『性格』があるので、それらを貴社の○○という業務で(必要とされているため)活かすことができ、入社後はさらにその力を伸ばして、貴社の今後の発展に貢献したいと考えております」
この口調には、企業に寄り添うような雰囲気があり、
「私には、貴社が求める『素養』があります」
というニュアンスが感じ取れます。ここでの『素養』が意味することは、まさに『伸びしろのある、養うべき素質』です。
そのため、このような語り口で話すことを「(3要素を)『素養』として見せる」と呼んでいます。
以上で、『技術』と『素養』の違いについて明確にしましたが、
なぜ『技術』として見せることが悪く、『素養』として見せるべきなのでしょうか。
結論から言ってしまえば、それは、企業もしくは採用担当からすれば、就活生が『技術』として見せたいことなんて、他のそれを持たない人に毛が生えた程度のことだからです。
このように言う根拠として、
例えば、入社後は、どの会社にも新入社員研修があり、さらに、入社後少なくとも3年間は様々な教育制度が設けられていると思います。
このことから考えて当たり前のことですが、企業からすれば、後の社員となる就活生には入社後、できるだけ早く、たくさんのビジネススキルや業務知識・ノウハウを学んでもらう予定であり、就活生はしばらくの間『育て養っていく対象』なのです。
つまり、企業から見た就職活動とは、
入社後も頑張って成長してくれそうな人たちを選別するための作業であり、就活生は(いくら学生として素晴らしかろうと)皆総じて、一人前の社会人として働くにはまだまだ足りないのです。
このことを前提として改めて、
『技術』として見せた場合の例と
『素養』として見せた場合の例を比較すると、
前者がいかにまずいことをしているかがわかると思います。
しかし、実際にはやってしまっている人は結構います。
特に、それなりに成果を挙げてきた大学院生や留学経験者など、それなりに頑張ったといえる経歴の持ち主ほど、陥りやすい心理的な見落としだったりします。
不思議なことに、下手に自信を持ってしまうと、こういった言われればすぐにわかるようなことも見えなくなってしまうんですね。
そのため、他の就活生よりアドバンテージがあるなと思ったときほど注意が必要です。特に面接では、ついつい勢いづかないように。
『未来質問』に答えるときは、
『経験』『能力』『性格』の3要素を『技術』としてではなく『素養』としてみせるべし。
これが何気に忘れがちだけど、重要な『就職活動に必要なマインドその2』です。
マインドについては以上です。
長々と話しましたが、マインドに関する記事2本を最後まで読み切った読者なら、いつでもどこでも、この図とその意味を思い出せるようになっていると思います。
就職活動に必要なマインドその1&その2
それが『就職活動に必要なマインド』です。
あなたの中にすでに本質は作られました。
あとはこれをもとにして、とにかく自分の頭で考え、自分の手足で行動するだけです。
次回は、エントリーシートや履歴書の『学生時代最も頑張ったこと』について、その基本的な書き方やコツについてお話します。
続き≫『学生時代に最も頑張ったこと』の書き方
目次≫就活のすゝめ
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