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2021年6月5日土曜日

そもそも就職活動ってなんだ?を企業目線で紐解く



1. その履歴書はだれ目線で書いたの?

さて、履歴書ないしOpenESの良い回答例良くない回答例を読んでもらいましたが、どうしてどっちが良い悪いなんて判断がつくのでしょうか。

それを知るには、その履歴書がだれ目線で書かれているか、を考えることがポイントになります。

結論から言えば、

1. 良い回答例企業目線

2. 良くない回答例学生目線

でそれぞれ書かれていると言えます。

「その2つの何がどう違うの?どうしてそう言えるの?」

とモヤモヤお思いの方へ、

その根拠は、企業目線で就職活動がどういうものか、紐解いていくと明らかになります。


2. そもそも就活ってなんだ?を企業目線で紐解く

学生はあくまでも学生なので、ホンモノの企業目線を再現することはできませんが、想像することはできます。学生なりに企業目線を持って、紐解いていきましょう。

ポイントは、就職活動の目的選考の流れ採用側と就活生の人数差の3つです。もう分かっている方もいるとは思いますが、改めてざっくり振り返ってみましょう。

2.1 就職活動の目的

就活の目的は、学卒を採用することです。おしまい★ミ

ではありません。学卒なら誰でもいいなんてわけないから、わざわざ七面倒な選考フローを設けているのです。

では、どんな学卒が欲しいのか。

それは、入社後も成長し続け、企業の発展に貢献してくれそうな、会社の未来を託してもいいと思える、そんな学卒です。

「具体性がないな、それって結局どんな学卒だ?」

その答えは、どの会社も必ず企業理念や就活生に求める人物像という形で、ホームページ等に掲げています。

つまり、企業目線での就活の目的とは、就活生たちがそれら企業理念求める人物像に則した人間かどうかを見極め、企業の需要にマッチする優秀な学卒を採用することと言えます。

2.2 選考の流れ

ギリギリになってから実態を知る人も結構いますが、大抵の選考フローは以下の通りです。

SPI・適性試験 → 書類選考 → 一次面接 → 二次面接 → 最終面接

左から順に就活生をふるいにかけていきます。一次面接はグループディスカッションに置き換わったり、中堅・中小企業では二次面接がなかったりすることはありますが、大方この流れです。

SPI・適性検査はテストセンターまたは自宅PCから、試験用のサイトにアクセスして問題を解くパターンが多いです。時間は企業によってまちまちですが、1~2時間程度です。

書類選考では、履歴書やOpenES、企業専用のエントリーシートなどで問われる質問に対して、各項目200~400文字程度の文章で答えます。多いように見えるかもしれませんが、人ひとりの人物像を知るにはむしろ少ないくらいです。

面接は、一次面接と二次面接なら20~40分、最終面接なら40分~1時間程度のものが多いです。長いようで案外あっという間に終わってしまいます。

まとめると、書類選考において企業は、限られた少ない文字数、面接では短い面談時間の中で、人材を見極めるのに必要な情報を集めなければならない、ということになります。

2.3 採用担当と就活生の人数差

大手企業であれば選考倍率が50~100倍に至り、CMをやっているような超大手企業に関しては何百倍になることもあります。

ここでは、仮に大手企業Aの求人80名に対して応募者が倍率50倍で4000人としましょう。

4000人中2000人が前期選考を受けた考え、SPI・適性検査でだいたい半分絞れたとしても書類選考は1000人分です。これに対し、採用担当はというと、会社にもよると思いますが、数人から十数人です。

そこからさらに、

一次面接までに500人こぎつけたとして、面談をする面接官は人事から3~5人程度。

二次面接までに240人こぎつけたとして、面接官は人事と希望部署の管理職の3~5人程度。

最終面接までに120人こぎつけたとして、面接官は役員と希望部署の管理職の3~5人程度。

徐々にライバルは減っていくとはいえ、皆さんを選ぶ採用担当ないし面接官の数は圧倒的に少なく、全体を見ても20~30人だけで人選を行うと言えます。

まとめると、企業は圧倒的に少ない人数で、大量の就活生の中から優秀な人材を選別しなければならないということです。


以上、就職活動の目的選考の流れ採用側と就活生の人数差についてまとめると、

企業目線での就職活動とは、大量の就活生の中から、

1. 企業理念や求める人物像にマッチする人材を、

2. 少ない文字数と短い面談時間で得られる限られた情報を使って

3. ほんの数人で選別する作業。

と言えるわけです。これってめちゃくちゃ大変なことのなでは?


3. 改めて、その履歴書はだれ目線で書いたの?

では、就職活動を企業目線で紐解いたところで、改めて、三大質問の良くない回答例の方をざっと読んでみて下さい。

……良くない回答例って、とにかく情報が多すぎませんか?

頑張ったこと、自己PR、志望動機の印象がバラバラで、なんかすごいのは分かるけど、結局この人がどんな人なのかイマイチ見えてきません。

では、企業目線で就職活動を考えたとき、採用担当はこの良くない回答例の履歴書を読んで、この人に魅力を覚えるでしょうか。

私なら、途中でめまいがして読むのを止めます。

だって、他にもたくさんの学生の履歴書に目を通して、誰がわが社にふさわしいか判断しなければならないのに、こんな掴みどころのない学生一人に構ってられません。

他にも履歴書は数百枚あるんですから、もっと優秀な子はたくさんいるはずです。

学生目線で考えれば、学生時代の経験や能力をたくさんアピールすれば、「こいつはすごい!採用!」ってなるんじゃね?と思うかもしれません。もしくは、「培ってきたものを余すところなくアピールしたい!」と、とにかくたくさん書くかもしれません。

しかし、企業目線で就職活動を見たとき、それは大きな間違いです。数百人も応募があれば似たような経験や能力の持ち主なんて腐るほどいるわけで、良くない回答例のようにアピールの仕方が悪いと、せっかくのそれらも有象無象に埋もれてしまいます。

だから、良くない回答例は学生目線で書かれた良くない履歴書と言えるのです。

では、企業目線で就職活動を見た上で、学生はどのように履歴書やOpen ESを書くべきでしょうか。

答えを一言で言えば、キャラクタライズをすることです。詳細は次回の記事から説明しますが、簡単に言えば、キャラクタライズとは、皆さんがどんな人なのかを経験能力性格の3要素からバランスよく特徴づけることを意味します。

具体例として、良い回答例の履歴書では、キャラクタライズを行っています。

頑張ったことと自己PRでは、それぞれテニスサークルと居酒屋バイトの経験をベースに、周囲への思いやりがある性格を一貫して示し、その性格から想像しやすいコミュニケーション力や状況把握力といった能力をアピールしています。そして、そこで述べた経験・能力・性格が、続く志望動機における彼の主張に、より納得感を持たせています。

履歴書全体としてまとまりがあり、一回読めば「この人はだいたいこんな人だな」と魅力が伝わりやすいものとなっていることが分かります。

だから、良い回答例は企業目線で書かれた良い履歴書と言えるわけです。

「じゃあ、そのキャラクタライズってどうやればいいのさ」

というわけで、

続く記事では、キャラクタライズの具体的な方法を、履歴書ないしOpenESの三大質問の答え方とともに解説していきます。


4. ちなみに

ちなみにですが、たとえ、良くない回答例の履歴書が書類選考で通ってしまったとしても、その後の選考はうまくいかない可能性が高いです。

なぜなら、就活の選考は数珠繋ぎであり、その履歴書は最終選考まで残るからです。選考会議は、学生本人が書いた履歴書を軸に、面接で得られた情報を追加して、人物像を補足しながら進められると考えられます。そこで、履歴書の出来が学生目線のものは、企業目線を意識した他の就活生のものより見劣りしてしまうことは想像に難くありません。したがって、途中で脱落してしまって、最後まで残れない可能性が高いと言えるわけです。

履歴書、OpenES、企業専用エントリーシートなど、書類選考で提出する書類は、一番の力の入れどころです。真面目に書きましょう。


私が思う、履歴書/OpenES 三大質問の良い回答例


こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、履歴書やOpenESの三大質問である学生時代に頑張ったこと自己PR志望動機の3つについて、良い回答例を紹介しています。

なお、この回答例は私が創作した人物のものです。人物像としては、国立大学の経済学部、学業はなんとか単位が取れる程度にこなし、就活までの3年間の大半をソフトテニスサークルと居酒屋バイトに費やした、大手農機メーカー志望の男子学生をイメージしました。

色んな人への相談を通して就活の解釈を自分なりに掴んでいたり、履歴書を添削した相談員が当たりだったりすると、自然と今回の例のようになるのですが、さて、皆さんはどうでしょうか。

「これの何がええんやろう」と考えながら、読んでみてください。
あまり良くない回答例とタブを並べて読むと、より分かりやすいと思います。


1. 学生時代に頑張ったこと

私が最も頑張ったことはサークル活動です。テニス同好会の会長を務め、周囲の期待から引き受けた役職でしたが、やるからには誰もが楽しめる同好会にしようと誓いました。しかし、ある試合の後、会内に不穏な空気が漂っており、原因はダブルスのペア決めでした。私が相性を甘く見て決めたため、試合中に不和が生じてしまったのです。以来、活動参加者は減り、一時は役目を投げ出してしまいそうでした。しかし、初心に返って考えた時「自分のためにも皆のためにも、やると決めたからにはやるぞ」と強く思い、それからは以前より各個人と親身に向き合い、関係図を作る等の工夫もして、試合を組むようにしました。結果、試合の度に「ありがとう、楽しかった」と言ってもらえるようになり、誰もが楽しめる同好会を実現できました。この経験で私は、多様な考え方への柔軟な対応や交渉術を学びました。貴社でどんな困難に遭っても、柔軟に構えて乗り越えていきます。(399文字)


2. 自己PR

私には『チームで活きる状況把握力』があります。2年生から居酒屋でアルバイトを始め、周りの皆さんのおかげですぐに馴染めました。一方で、お店の売上は徐々に下がり、危機的状況に陥っていました。店長や社員の方々は明るい様子でしたが、確実に士気は下がっており、「どうにかして役に立ちたい」と思いました。そこで、私は自分がアルバイトという従業員の中で最も時間があり、顧客に近い立場にある点に注目しました。そして、学内の友人や同好会の仲間に意見を求め、他店に赴いてその強みや特徴を調べる等の調査を行い、自身の考察や提案も踏まえた調査資料を店長に提出しました。店長は快く受け取って下さり、全従業員が一丸となって対策を練りました。その結果、売上は回復し、遂には過去最高売上を超えるという結果に繋がりました。このように、私には『チームで活きる状況把握力』があり、この力を貴社ではさらに伸ばし、活用していきたいです。(396文字)


3. 志望動機

私は生活に欠かせないものと関わって国内外で働きたいと考えており、被災地でのボランティア活動をきっかけに、衣食住に関わる水関連及び農機事業に興味を持ちました。業界内でも貴社は国内で唯一両方の事業に注力し、世界トップシェア製品を持つグローバル企業です。なにより『地球規模で人々の生活を豊かに』という理念に強く共感し、私も『知らない誰かの明日を創る仕事』をしたいと思いました。入社後は生産管理職を希望し、培ってきた対人スキルや調整力を活かしつつ、機械の知識を学んでさらに成長したいです。そして将来、『新しい価値を生み出す』人材として貴社に貢献したいと考えております。(280文字)



4. この3つの何が良いの?

ここまで読んで、

「この履歴書は、まあまあのデキやな。理由は……」

と思った方は、きっと大丈夫です。そのまま道を突き進んでください。

「どこがええんや?そもそも良い悪いってどこで分かるん?」

と思った方は、ちょっと危ういかもしれません。

少しでも「何が良いのか」はっきりさせたい方、または、就活の法則を知って有利に進めたい方は、続きの記事をどうぞ。

私が思う、履歴書/OpenES 三大質問の良くない回答例


こんにちは、ブリキらっこです。

ここでは、履歴書やOpenESの三大質問である学生時代に頑張ったこと自己PR志望動機の3つについて、あまり良くない回答例を紹介しています。

なお、この回答例は私が創作した人物のものです。人物像としては、国立大学の経済学部、学業はなんとか単位が取れる程度にこなし、就活までの3年間の大半をソフトテニスサークルと居酒屋バイトに費やした、大手農機メーカー志望の男子学生をイメージしました。

初めて履歴書を書いたり、添削した相談員が微妙だったりすると、案外、今回の例のようになってしまいがちですが、さて、皆さんはどうでしょうか。

「これの何がアカンのやろう」と考えながら、読んでみてください。
良い回答例とタブを並べて読むと、より分かりやすいと思います。


1. 学生時代に頑張ったこと

私が最も頑張ったことはテニス同好会での活動です。大学からテニスを始めたにも関わらず、大学2年生には近隣の5大学の合同大会で優勝することができました。さらに3年生になると、誰とでも上手く話すことができるという理由で周囲から推薦されて、同好会の会長の仕事を引き受けました。そこで、特に他大学との試合を組むことにおいては一際力を注ぎました。会内ではメンバーが気持よく試合に臨めるように彼らの気持ちに細心の注意を払うこと、会外では1カ月以上前から対戦先の大学と連携を取り、段取りを決めることが必要となります。そのため、試合を何度も組むうちに計画力が身に付き、メンバー全員に心を開いて話してもらうために奮闘するうちに、コミュニケーション能力と交渉力をさらに鍛え上げることができました。また、予算及びスケジュール管理などがこれまで非常に雑に行われていたため、その形式を独自に作るといったことも行いました。(398文字)


2. 自己PR

私には『情報を精査して考える力』があります。この力でアルバイト先の窮地を救いました。私は大学付近の居酒屋でバイトリーダーを務めています。1年前、お店の売上が急に下がり始めるという事態が発生し、私は経済の知識から、それが社会全体の経済状況とはあまり関係ないと判断しました。また、他店に赴いて様子を見た結果、客入りや精算レシートの量から、他店は盛況であると判断しました。そこで次に、客層が大きい大学生に注目し、学内の友人や同好会の仲間に自店の問題について尋ねた結果、他店に比べて酒類が少ないことやコース料理の値段が高いことが大きな問題点だと分かりました。私は費用が大きいメニューを一時減らし、酒類の充実やコース料理の値段低減、そして宣伝広告に費用を回す提案をし、店長に実行して頂きました。結果、お店の売上は回復し、遂には過去最高売上を突破しました。このように私には『情報を精査して考える力』があります。(399文字)


3. 志望動機

私は被災地でのボランティア活動で、貴社が給水用のパイプラインを供給していることや農機を製造していることを知って興味を持ちました。また、ダクタイル管や芝刈り機の世界シェアなどで首位を占めており、私はグローバルに働きたいと考えていたため、非常に惹かれました。しかし、ボランティア活動の際、貴社のパイプ供給が遅れるという状況に遭遇し、困っている人々を目の当たりにしました。この経験から私は入社後、生産管理職につきたいと考えています。私が身につけてきた対人スキルや調整力により、今後こういった問題をなくすためのシステムを作り、貴社と社会に貢献したいと考えております。(279文字)



4. この3つの何が悪いの?

ここまで読んで、

「まあ、これはアカンな。理由は……」

と思った方は、きっと大丈夫です。そのまま道を突き進んでください。

「え?いったい何がアカンのや?」

と思った方は、ちょっと危ういかもしれません。

少しでも「何がアカンのか」はっきりさせたい方、または、就活の法則を知って有利に進めたい方は、続きの記事をどうぞ。